FP日記丨福岡

106万円の壁撤廃!今後どうなる?

壁、崩れる様子

「106万円の壁」という言葉を聞いたことがありますか?

パートで働く主婦の方なら、この壁を意識して働き方を調整している人も多いはず。

でも、その壁が2027年から段階的に撤廃されていくことをご存知でしょうか。

「手取りが減るのは困る」

「扶養から外れたくない」

そんな声が聞こえてきそうですが、実はこの改正、メリットもデメリットもあります。

将来の年金が増える、病気やケガの時の保障が手厚くなる一方で、目の前の手取りは確実に減少します。

  • 一体、いつから、どんな企業が対象になるのか?
  • 中小企業で働く人にどんな影響があるのか?
  • 対策は何をすればいいのか?

今回は、2027年から始まる社会保険加入対象の拡大について、わかりやすく解説します。

あなたの働き方に直結する重要な制度改正、今のうちにしっかり理解しておきましょう。

「106万円の壁」とは、パートやアルバイトの人が社会保険に加入する義務が生じる年収のラインのことです。

現在、年収106万円を超え、かつ以下の条件を満たすと社会保険への加入が義務付けられています。

つまり、従業員が50人以下の中小企業で働いている場合、現時点では106万円の壁は関係ありません。

しかし、今回の改正でこの状況が大きく変わります。

今回の改正では、「106万円」、「従業員数51人以上」という条件が撤廃され、最終的には「週20時間以上の労働」のみが条件となります。

つまり、中小企業でも社会保険加入の問題が発生するようになるということです。

すべての企業が一斉に対象になるわけではありません。

段階的に対象企業が広がっていきます。

対象企業
2027年従業員36人以上の企業が対象
2029年従業員21人以上の企業が対象
2032年従業員11人以上の企業が対象
2035年すべての企業が対象

社会保険の加入対象の拡大

まだ数年の猶予がありますが、早めに対策を考えておく必要があります。

最大のデメリットは、毎月の手取り収入が減ることです。

社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)が給料から天引きされるため、目の前の収入は確実に減少します。

厚生年金に加入することで、将来受け取れる年金額が増えます。

ただし、年金制度は将来的に変更される可能性もあり、今計算した金額が確実にもらえるとは限りません。

業務外の病気やケガで会社を休んだ場合、給料の約3分の2が最大1年6ヶ月間支給されます。

例えば月収30万円なら、約20万円が支給されます。

出産時の所得補償として、出産手当金が支給されます。

収入によって金額は異なりますが、以下が目安です。

出産を控えている方には大きなメリットですね。

保険料の半分を会社が負担してくれます。

これは会社員にとって大きなメリットですが、逆に言えば会社側の負担が重くなるということでもあります。

財務省は所得税の壁を103万円から123万円に引き上げ、税負担を軽減する方向です。

一方、厚生労働省は106万円の壁を撤廃し、社会保険加入を拡大する方向です。

所得税は減っても社会保険料が増えれば、結局手取りは減ります。

なので、政府の方針が一貫していないという批判があります。

「週20時間」は契約上の労働時間で判断されます。

実は、実際の労働時間ではありません。

例えば、雇用契約書に「週19時間」と記載されていれば、実際に21時間働いても社会保険の対象外です。

ただし、契約と実態があまりにかけ離れていると、労働基準監督署から指導を受ける可能性があります。

この点は、特に中小企業にとって運用が難しくなるポイントです。

対象となる従業員の要件

社会保険加入対象の拡大は、2027年から段階的に始まります

中小企業で働くパート・アルバイトの方にとっても、他人事ではありません。

手取りは減るが、将来の保障は手厚くなる

これをトレードオフをどう考えるかは、個人の価値観やライフステージによって異なります。

大切なのは、制度を正しく理解し、自分に合った働き方を選択することです。

2027年まであと数年。今のうちに、家計や働き方を見直してみてはいかがでしょうか。

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