「営業マンの説明が早すぎて、本当に必要な保障がわからない」
「月々の保険料が高すぎて家計が不安」
こんな経験はありませんか?
実は、医療保険に入りすぎて損をしている人が驚くほど多いのです。
医療保険で損をする最大の理由は、「必要以上の保障に加入してしまう」ことです。
会社員の方でも月20万円以上の保険料を支払っているケースがあります。
さすがに入り過ぎでは?と思ってしまします。
営業マンのトーク例
多くの営業マンは松竹梅みたいな感じで、最初に3パターンくらいの見積りを出されることが多いです。
なんの業種でもそうですが、1パターンの見積りしか出されないことの方がたぶん少ないですよね。
実は、売れる営業マンと売れない営業マンの違いをここで見極めることができます。
「一番内容がいいプランは高いから、真ん中のプランを進めるようにしよう。。」
と思いながら提案しているのか、
「どのプランもいいですが、私のおすすめは一番高いこのプランです!」
と自分の提示したプランを自信をもって勧めているかで、使う言葉が変わってくるはずです。
売れる営業マンに捨て案なんてないのです。
例えば、トークの一例をご紹介します。
木彫りの彫刻をイメージしてください。
彫刻の元となる素材がすでに削られていてやせ細っていたら、良い彫刻を作るのって難しいですよね?
最初から削られたものを良くしていくより、元の素材を最大限活かした状態から削っていった方が良いものができるんです!
保障という素材を最大限活かしたお見積りがこちらになります。
もちろん全部の保障をつけろって意味じゃありません。
1つずつちゃんとご案内していきますので、いらないと思われたものはお見積りから外していきましょう。
ざっくりこんな感じです。
既に信頼関係が出来上がっていて、見た目と人当たりのいい営業の方にこんなトークをされても、嫌な気分にはならないはずです。
見落としがちな公的医療保険の存在
多くの人が見落としているのが、すでに導入されている公的医療保険の保障内容です。
知っている方は多いかもしれませんが、高額療養費制度でかなりの医療費がカバーされます。
- 高額療養費制度により、月々の医療費の自己負担には上限額が設定されている
- だいたい月8万円程度(収入による)
つまり、民間の医療保険に入る前に、まずは自分が加入している公的保険の内容をしっかり理解することが重要なのです。
例えば、年収500万円の会社員の方の医療費が一月に100万円かかったとしても、高額療養費制度をつかえば大体10万円くらいの手出しで済む可能性が高いと言っていいでしょう。
必要な保障を見極めるポイント
では、どうすれば正しく保険を選択できるでしょうか。
1. 現在の公的保障の内容を確認する
特に高額療養費制度の自己負担額は重要です。
この制度の説明もせずに医療保険を勧めてくる営業マンには要注意。
2. 自分の経済状況を把握する
毎月の可処分所得を考慮し、無理のない保険料設定を心がけましょう。
月収の5%程度がひとつの目安と言われています。
3. 家族構成や年齢を考える
若い一人者と核家族では、必要な補償が大きく異なります。
ライフステージに合わせた設計が重要です。
具体的な医療保険の選択方法
当たり障りのない以上の前提を抑えたとして、具体的にどうやって民間の医療保険を選択すればいいかをお伝えします。
1. 保険期間と保険料払込期間を決める
■パターン1
- 月払保険料 :2,500円
- 保険期間 :10年
- 保険料払込期間:10年
■パターン2
- 月払保険料 :5,000円
- 保険期間 :50年
- 保険料払込期間:80歳まで
30歳の男性が80歳まで保険に入るとしたら、どちらのパターンの総支払額が少ないでしょうか?
正解は、パターン2です。
ロジックを説明します。
パターン2の保険は、30歳から80歳までを通して保険料が一律5,000円に設定されています。
契約期間中は保険料が変わらないタイプの保険ですね。
一方パターン1は、保険料が2,500円なので一見安く見えます。
ただし保険期間が10年なんです。
10年後に更新がきて40歳の年齢で保険料が計算されることになるので、保険料がアップします。
そのまた10年後、20年後と保険料のアップを繰り返すので、トータルの支払額は100万円以上パターン1の方が高くなります。
まず考えるべきは、保険期間と保険料の払込期間を決めることです。
2. 入院日額の決定
民間の医療保険の主契約は、入院日数 × 日額 となっています。
例えば、入院日額1万円の医療保険に入って30日間入院したとしたら、もらえる保険金は30万円になります。
ここで難しいのは、じゃあいくらの日額を設定すればいいの?ってことです。
日額を5,000円にするのか10,000円にするのかで単純に保険料は倍違うことになるので、大事なところですね。
僕が実際に提案している方法をご紹介します。
■年収500万円の方の場合
まず高額療養費制度をつかったら、一月に最大でいくらの医療費が掛かるかを算出します。
年収500万円の会社員の場合はだいたい8万円くらいになる計算です。
8万円を30日で割ったら2,700円くらいになります。
じゃあ日額3,000円にしますか?といった感じで話すことがままあります。
なぜなら僕自身が最低限の保障でいいと思っているからです。
もちろん個室に泊まったらとか、収入がストップしたらとか最悪を想定したら際限はありませんが、医療保険ですべてをカバーする必要はないと思っています。
貯金がありますしパートナーの収入だってあるかもしれません。
障害年金や傷病手当金などの公的保障からの支援だって見込めます。
だから最低限でもいいんです。
3. 特約の追加
保険会社によっていろんな特約があります。
特約というのは簡単に言うとオプションみたいなものです。
ここはその人の価値観とか考え方によってかなり変わるので、難しいところではあります。
保険営業マンによってその人が設計する見積りの型みたいなものがありますし、よくよく検討が必要です。
保険営業マンとの付き合い方
保険営業マンから提案を受ける際は、以下の点に注意しましょう
- 最初の提案をそのまま受け入れない
- 各保障の必要性について、具体的な説明を求める
- 検討の時間を十分に取る
当たり前ですが、即決しないでください。
そもそも即決を求める営業マンはほぼいないと思いますが。
医療保険の選択に不安を感じる方は、中立的な立場の専門家に相談することをおすすめします。
専門家への相談のすすめ
ご自身で整理するのが難しい方は、やはり専門家に相談するのがいいと思います。
餅は餅屋。
プロに聞くことで時間もお金も節約できるのではないでしょうか。
でもわかります。
めんどくさいんですよね、相談するのって。
担当者が嫌な人だったらどうしようとか、色々話を聞いたうえで断ったら申し訳ないなとか思いってしまいます。
良い客になる必要はなくて、むしろならない方がいいです。
営業マン目線のいい客というのは、枕詞に「都合」のとついていてもおかしくありません。
そんな客になりたくないですよね。
だから「こいつめんどくせー」と思われるくらいの顧客を目指しましょう(笑)
そのうえで、保険商品の比較や正しい設計について、経験豊富なファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。
具体的な契約例
実際の事例を見ながら、医療保険の見直しについて考えてみましょう。
ケース1:30代会社員の場合
Tさん(35歳・会社員)は、5年前に営業マンの勧めで医療保険に加入しました。
その後一度も姿を現すことがないと思ったら退職していた。
なんていうのはよくある話です。
【見直し前】
- 入院給付金:日額15,000円
- 手術給付金:最高100万円
- 月々の保険料:25,000円
必要な保障を見直したところ、会社の健康保険と高額療養費制度でかなりカバーできることがわかりました。
平たく言うと、安くしたいと要望があったので安くするコンサルティングをして差し上げました。
【見直し後】
- 入院給付金:日額5,000円
- 手術給付金:最高150万円
- 月々の保険料:5,000円
ケース2:50代自営業の場合
Sさん(52歳・自営業)
【見直し前/見直し後】
- 入院給付金:日額10,000円
- 手術給付金:最高50万円
- 月々の保険料:18,000円
自営業の場合、会社員の方と比べて公的保障が少ないため、ある程度の保障が必要です。
結果的に言うと、ご自身のいまの保険に納得され契約は据え置きとなりました。
よくある質問と回答
医療保険に関する疑問について、具体的にお答えします。
Q1:医療保険は本当に必要なのですか?
A:必要性は個人の状況によって異なります。以下のような方は、医療保険の加入を検討する価値があります。
- 自営業者または個人事業主
- 持病がある方
- 扶養家族が多い方
- 貯蓄が少ない方
とりあえず、以下のような方は、そこまで心配しなくていい場合が多いです。
- 大企業に勤める会社員
- 十分な貯蓄がある方
- 保険会社を悪徳詐欺集団と思っている方
Q2:保険料の相場はどれくらいですか?
A:年齢や地域、安全内容によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 30代の場合:月5,000円~15,000円
- 40代の場合:月8,000円~20,000円
- 50代の場合:月12,000円~25,000円
ただし、これは暫定的な目安であり、個人の状況に応じて適切な保障額を設定することが重要です。
皆さんだいたいいくらくらい払ってるんですか?とよく聞かれます。
正直答えようがないのですが、無理やり回答したらこんな感じでしょうか。
皆さんだいたいどのくらいの家賃のところに住んでますか?って聞かれるのと同じくらい回答が難しいです。
住んでいる地域も違えば間取りも違うし、建物の構造だって違います。
それと同じで、皆さんが払っている保険料の平均値をとってもあまり意味がないのです。
医療保険を見直すベストなタイミング
以下のようなライフイベントの際には、医療保険の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
- 結婚・出産時
- 転職・退職時
- 誕生日前
特に誕生日前は保険料が最も安くなるタイミングなのでオススメです。
医療保険は、一旦加入して放置するのではなく、必要に応じて調整ができたらいい感じですね。
必要以上の保障を避け、適切な保障内容を維持することで、安心かつ効率的な医療保険の活用が可能となります。
まとめ:賢い医療保険の選び方
今はネット保険も充実しているので、必要な情報を取捨選択できるし営業されたくないって方は、ネット保険を検討してみるのもいいかもしれませんね。
医療保険は絶対に必要な保険かと言われたら、そうじゃないのかもしれません。
今のはたらき方、将来のはたらき方、年齢や家族構成など、様々なことを考えなければベストチョイスは難しいでしょう。
ちなみにベストチョイスのひとつの選択肢として、「医療保険に入らない」のも正しい選択になりうるのです。
「公的保障があるから自分に必要ない。」
「収入の補填にしたいからお守りとして保険に入っておきたい。」
自分が納得できていればどれも正解です。
ただし納得するには知識が必要。
入院日額をいくらに設定して医療保険に入るのか真剣に考えてみてください。
なんとなくこのくらい。と曖昧にすると損してしまうのはあなたです。
ポイントを抑えるて賢い保険選びができることを願っています。